【中編】出産経験があっても不妊になる!2人目不妊の5つの原因とは?

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前回は1、「ホルモンバランスの乱れ」と2、「性感染症」に焦点を当てて不妊の原因となる症状や治療法をお伝えしました。

 

今回は3、「女性特有の病気」についてお伝えします。

 

 

 

3、女性特有の病気

 

女性特有の病気には女性にしか備わっていない子宮に関するものの他に、脳から分泌されるホルモンが原因で起こるものがあります。今回は以下の5つをご紹介します。

 

  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫
  • 子宮頸がん
  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)/多嚢胞性卵巣(PCO)
  • 高プロラクチン血しょう

 

 

 

200万人の女性がかかっているとされる子宮内膜症

 

毎回、生理痛がひどく痛み止めが手放せない、痛み止めが効かずに寝込むことがある…。

このような女性が年間200万人もいるといわれています。しかしきちんと受診をする方は13万人しかおらず、我慢できなくなって初めて訪れたとき「子宮内膜症」と診断される方が後を絶ちません。

 

では子宮内膜症とはどのような病気なのでしょうか。

症状は我慢できないほどの生理痛や腰痛、セックス時の痛みがほとんどです。20代~30代の女性に多く見られます。

そもそも「子宮内膜」とは受精卵が着床するために欠かせないベッドのようなものです。通常この子宮内膜は子宮の内側に厚くでき、妊娠しなかった場合は生理の血液とともにはがれて外に排出されるというサイクルを繰り返しています。

しかし子宮内膜症の場合は子宮内膜が子宮の外側や骨盤の腹膜、卵巣の中にできてしまい、排出されずに溜まってしまいます。これが我慢できない腹痛を引き起こすのです。

 

さらには子宮内膜が溜まることで炎症を起こし、その修復をしようと組織同士がくっつき腸と子宮、腸と腸同士、卵管が癒着してしまうことがあります。毎回の生理で我慢できない腹痛の他に便秘や腰痛が現れるのであれば、癒着が疑われます。なかでも卵管の癒着は排卵の妨げにもなるので不妊症の原因にもなります。

 

 

子宮内膜症の治療は、飲み薬や手術、妊娠の3つ

 

子宮内膜症の治療にはまず鎮痛剤で痛みを取り除き、毎回の生理の出血をおさえるホルモン療法があります。この場合、長期的な治療となるため薬や通院などの費用がかかります。

もっとも効果的な予防法と治療法は妊娠することです。妊娠するとホルモン値が変わり生理が来なくなるため子宮内膜症の症状は悪化することがありません。ただし上記の方法はすべて軽度の子宮内膜症に限ります。

 

癒着がみられるほど症状がひどかったり、チョコレート嚢胞(嚢腫)と呼ばれる子宮内膜が黒くドロッとした状態になったりすると手術は避けられません。この場合は開腹手術をして嚢胞を切除し癒着をはがすか、お腹に傷をつけたくないのならへそと左右の下腹部に1cm以下の穴をあけて管やカメラ、鉗子を使って嚢胞の切除や癒着をはがす腹腔鏡手術をおこないます。

腹腔鏡手術は傷跡が目立たない、回復が早くすぐに退院できるというメリットがありますが、おこなっている病院が少ない、開腹手術に対して費用が効果というデメリットもあります。

 

 

女性の3人に1人は子宮筋腫

 

子宮筋腫とは子宮にできる良性の腫瘍のことで、女性ホルモンの1種であるエストロゲンの働きが活発な若い女性ほど大きくなりやすいです。筋腫は大きくなりすぎると触るとわかるほどに硬くなったり、妊娠中に発見されることもあります。また子宮内膜にできた筋腫は、着床のためのベッドの中にこぶができた状態なので、受精卵の着床できず不妊の原因になります。

 

症状は、月経過多や貧血、腹痛、腰痛、筋腫が膀胱を圧迫することで起こる頻尿が主に挙げられます。特に貧血は妊娠中であれば胎児の成長が遅れたり、早産や出産のとき母親の出血が止まりにくかったりするなど、影響が大きいです。

 

 

子宮筋腫の治療法は、開腹手術、腹腔鏡手術、子宮鏡手術の3つ

 

筋腫が大きい場合、開腹手術と腹腔鏡手術の2つをおこないます。開腹手術はお腹を開いて子宮を外に出すため子宮全体を見ることができ、的確に短時間で筋腫や癒着を取り除くことができます。ただし回復に時間がかかります。

腹腔鏡手術は回復には時間がかかりませんが、手術時間が開腹手術よりも長く、合併症のリスクも少しだけ高いです。そのため合併症を避けるために手術の途中で開腹手術に切り替えることもあります。

 

子宮鏡手術とは子宮鏡と呼ばれる小さなカメラを膣から入れて、子宮の中にある小さな腫瘍を取り除く手術のことです。この方法も回復は早いのですが、手術器具により子宮に穴があくかもしれないというリスクがあります。

 

 

セックスで感染する子宮頸がん

 

子宮頸がんは「がん」と表記されていますが、セックスで感染するヒトパピローマウイルスが原因の感染症です。乳がんの次に女性の羅漢率が高く20~30代の比較的若い年齢の方が多いのも特徴です。

 

初期症状がほとんどなく、かなり進行してから腹痛や不正出血がみられます。これらの症状が出た場合、妊娠中であれば妊娠の継続が困難になり、妊娠中でない場合は子宮摘出といった治療が必要になります。

ただし初期の段階では円錐切除という子宮の一部だけをくりぬく簡単な手術で済み、妊娠も可能になります。

 

がん化する前の異形成の段階で早期発見するには年1回の定期検診が最も効果的ですが、日本ではまだあまり広まっておらず、2014年に定期検診を受けたことのある割合は20代女性では約2割、30代女性では約4割となっています。

 

子宮頸がんに感染すると不妊の原因に

 

初期の子宮頸がんを治療すると妊娠することは可能ですが、子宮頚管粘液を出す部位を切除してしまった場合その確率は健康な人と比べて低くなります。

なぜなら子宮頚管粘液は性石を卵子のところにまで運ぶ手助けをしているからです。子宮頚管粘液を出す部分を切除すると頸管粘液が出ないため精子は泳げずに死んでしまいます。このため不妊につながるといわれています。

 

 

 

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)/多嚢胞性卵巣(PCO)

 

多嚢胞性卵巣症候群・多嚢胞性卵巣とは、卵子の入った袋である卵胞が排卵できる大きさまで成長せずに卵巣の中に無数に溜まっていくことです。超音波で見ると成長しない卵胞が子宮の側面に多く並んでいる「ネックレスサイン」がみられます。

多嚢胞性卵巣症候群と多嚢胞性卵巣はこのネックレスサインが特徴ですが、症状についてはいくつかの違いがみられます。

 

多嚢胞性卵巣症候群の症状

 

  • 月経異常(不正出血や周期が35日以上と長くなる)
  • 無排卵
  • 多毛
  • 肥満
  • 肌荒れ

 

これらのように、生理周期が長くなった、不正出血があったなど目に見えてわかる症状からなかなか気づきにくいものもあります。

特に多毛や肥満、肌荒れといった症状は黄体ホルモンとインスリンが過剰に分泌されることで男性ホルモンであるテストステロンが上昇して起こります。

 

一方、多嚢胞性卵巣の症状は目に見えて現れることはありません。排卵をともなった生理も問題なく起こりますし、ホルモン値も正常です。診断は超音波でのネックレスサインが確認されるかどうかで決まります。

 

 

治療にはまず排卵させることから始まります

 

多嚢胞性卵巣症候群はホルモン値の異常が原因で起こるため、排卵誘発剤を使って排卵を起こさせることが挙げられます。

排卵誘発剤には飲み薬と注射薬がありますが、飲み薬は長期的な治療が必要になり、注射薬では飲み薬よりも即効性はあるものの、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)と呼ばれる卵巣が過剰に膨れ上がり腹水や胸水が起こる合併症が懸念されます。そのため重度の多嚢胞性卵巣症候群の場合、体外受精も視野に入れる方もいます。

 

 

 

脳腫瘍やホルモン異常で起こる高プロラクチン血しょう

 

高プロラクチン血しょうとは、母乳を分泌するプロラクチンというホルモン値が高くなることで起こる病気で、妊娠中・授乳中でもないのに母乳が出るといった症状がみられます。

プロラクチンが出るということは体が妊娠中だと勘違いしているため、排卵されなかったり生理が止まることもあります。

 

 

高プロラクチン血しょうの主な3つの原因と治療法

 

脳腫瘍(プロラクチノーマ)

プロラクチノーマとは脳の下垂体にできる腫瘍のことです。この腫瘍がプロラクチンを大量に出すことによって高プロラクチン血しょうになります。20~30代の女性に多くみられますが、患者数の約2割には男性も含まれます。

症状には乳汁分泌の他に視野が狭くなる、めまい、頭痛があります。

 

 内分泌疾患

プロラクチンは脳下垂体の視床下部というところで分泌されています。この部分に腫瘍できたり、ストレスなどで適切なホルモンの分泌ができなくなったりすると、乳汁の分泌という症状がみられます。またホルモンの異常分泌には、日中は症状が現れなくても夜になると出てくる「潜在性高プロラクチン血しょう」もあります。

 

 薬剤

胃腸薬、ピル、抗うつ剤、降圧剤を長期間服用していると、ごくまれにホルモンの分泌が乱れることがあります。この場合、飲んでいる薬を減らしたり辞めるか、違う薬に切り替えるとプロラクチンの値が正常に戻ることがあるようです。それでも値が高いときはドーパミンの投与をする場合があります。

 

プロラクチン血しょうの原因はわかっているもので以下の3つが挙げられますが、そのほかにも甲状腺の機能低下や流産、中絶でも起こるといわれています。しかし発症の大多数は原因不明のものが多いです。

治療には大きな腫瘍であれば切除が必要ですが、大多数は薬物療法でおこないます。

 

 

 

今回は女性特有の病気を5つご紹介しましたが、ほとんどが聞き覚えのある病気ばかりかもしれません。ということは、今やこれらの病気は身近なものになってきているのです。

女性は生理の変化が体調のバロメーターといわれるほど、病気と密接に関係しています。最近、生理周期が長くなってきた、生理痛がひどくなってきたといった症状がみられる場合はすぐに受診しましょう。

 

次回は4、「加齢」と5、「セックスの減少」についてお伝えします。

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