
一度、借金が発覚してもう二度とお金を借りないと約束したのに、消費者金融のカードが出てきたり、「お金を貸しているんだけど……」と友人知人、家族から電話があったり。
夫がしでかした度重なる借金の返済に追われるうちに、「離婚」の2文字が頭をよぎってしまいそうになります。
この借金癖は諦めるしかないのでしょうか。
今回は諦めてしまう前に、借金癖が治らない夫への対処法をお伝えします。
借金癖は治らないの?
最近では「インターネットの審査なら30分でOK」という文句があるように、消費者金融からお金を借りることは簡単になってきています。
そして一度、お金を借りることの簡単さを覚えてしまうと、金欠のたびに「お金を借りればいい」と思うようになり、それが癖になってしまうのです。
そのため借金癖を治すことはなかなか難しいといわれています。
借金癖を治すためには夫に「借金は恥ずかしいこと」「金銭感覚がおかしくなっていること」を自覚させる必要があります。
何が理由で借金グセになっている?
借金癖を治すためには、まずどんな理由で借金をしているのか知る必要があります。
- ギャンブル
- 飲み会などの交際費
- 欲しいものを我慢できない
- 度重なる借金の返済に追われている
1~3の場合は、明らかに自己管理ができていない結果です。
4は家族に相談できず、夫が1人で借金の返済をしなければならないときに陥るパターンです。
今回はこれらが原因となる借金癖の対処法をお伝えします。
もう2度と借金をさせないためにできること
借金癖は治らないと諦めてしまう前に、できることがいくつかあります。
1、借金の肩代わりは絶対にしない
借金をしている夫に一番してはいけないことが、妻が借金の肩代わりをしてしまうことです。
妻が給料を管理していて貯金もしっかりできているときに、夫の借金が発覚してしまったら貯金で一気に返そうと思ってしまいますが、ここはあえて自分で作った借金は自分で返すように伝えましょう。
ここで借金の肩代わりをしてしまうと、「また借金しても妻が助けてくれる」と思い、借金をすることへのうしろめたさがなくなり繰り返してしまう可能性が出てきます。
心を鬼にして「妻は助けてくれる」という状況を作らないようにしましょう。
2、家族や第三者の前で返済の約束をさせる
お金を借りている相手が夫の友人知人や家族であった場合、口約束ではなく会って返済の約束をしてもらいましょう。
このとき夫婦そろって出向き、1人でも多く返済の約束を見た人を増やすと効果的です。
ただし全く関係のない人や大人数になってしまうと「追い詰められた」「責められた」と感じてしまうため、夫婦と当事者合わせて4、5人くらいがよいでしょう。
夫には借りたものは自分で返さなければならないことを自覚してもらうため、実際に返済のスケジュールを作って具体的に示すことが重要です。
3、債務整理をする
すでに消費者金融から多額の借金をしているのであれば、債務整理をすることも一つの手段です。
債務整理には弁護士や司法書士、裁判所などの公的な人たちが介入します。
第三者に知られること、ここでの手続き中に返済の大変さを知ることによって、もう借金はやめようと決意する人もいるようです。
債務整理には、任意整理、民事再生、自己破産の3つがあり、いずれも借金を支払いができる額にまで減らしたり、返済自体をなくしてしまうものです。
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任意整理
収入の見込みがある方、残りの借金を3年程度で返済できる方が利用できます。
借金をした日までさかのぼって借金を減額したうえで、金利をカットして3年ほどで返済することができるように、弁護士や司法書士が代理人となり貸した側と交渉することです。
和解案が通ると、これまでの未払い分と将来分の金利や遅延損害金を返済する必要が無くなり、月々の返済額も生活に支障がないところまで調節することができます。
裁判所を通さないため、出頭や官報に名前が載ることもなく会社や家族に知られることもありません。
ただし、信用情報機関に名前が登録されるので5~7年間は新規の借り入れやクレジットカードの申し込み、ローンの審査に通らなくなります。
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民事再生
継続した収入を見込める方で、住宅ローン以外の借金の総額が5000万円以下で、返済不能となるおそれがある場合、民事再生の手続きができます。
住宅ローンは減額されませんが、自己破産とは違い財産は処分されずに残りの借金を3年程度で支払える分(5分の1程度)まで大幅に減らすことができます。
民事再生の場合は、裁判所を通しておこなわれ約3カ月かかります。
また、信用情報機関に名前が登録されるので5~10年は新規の借り入れやクレジットカードの申し込み、ローン審査に通りません。
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自己破産
過去7年以内に免責を受けたことがなく、財産を処分しても支払い不能であることを裁判所に認められた人が受けることができます。
借金の返済は原則無くなりますが、生活に不可欠なもの以外で現在の価格が20万円を超える財産はすべて処分されます。
ギャンブルや浪費であっても弁護士が代理人の場合、免責不許可自由の内容や程度、反省しているか、今後の更生できそうかなど調査することで認められる場合があります。
自己破産の場合も裁判所で行われ、手続きには3カ月から半年かかります。
また、信用情報機関に名前が登録されるので5~10年は新規の借り入れやクレジットカード申し込み、ローン審査に通りません。
借金癖は恥ずかしいことだと自覚させましょう。
今回は家庭でできることから公的な手段に頼る方法までご紹介しました。
債務整理まではやりすぎかもと思うかもしれません。そのときは「債務整理をしなくてはならなくなるかもしれない」と伝えるだけでもいいかもしれません。
要は借金を繰り返すこと家計に大きなダメージを与えること、家族を巻き込む大変なこと、恥ずかしいことなのだと自覚させることが重要です。
借金癖は治らないと諦めてしまう前にぜひ、勇気をもって行動してみてください。